土日の応援を求めている当事者がいます。
浦河ひがし町診療所のミーティングで、最近このテーマがくり返し浮上するようになりました。
それがはっきり出てきたのはコロナのせいもあるでしょう。幼稚園や学校が休みになり、子どもが家にいて母親のストレスが強まる。ふだんからささいなことでも崩れがちな親たちです。もう限界、とSOSが出て、看護師やソーシャルワーカー訪問に行くようになりました。いろいろな家の事情を見てわかったのは、コロナがなくても応援が必要だということです。

子どもが騒ぐとパニックを起こし、家事が手につかない親。子どもの目の前でリストカットをする親。引きこもってひたすらゴミ屋敷をつくる親。そういう親は、子どもがいなくなりひとりで暮らしても、支えがなければやはり崩れてゆきます。
統合失調症やうつ病といった「はっきり名前がつく」のとはちがうケースの人びとへの支援が、診療所の活動の大きな部分を占めるようになりました。
そういうケースの人びとは、ささいなきっかけで変調をきたしたり引きこもったり、子どもを虐待したりしがちです。でもちょっとした支えがあればそうならずにすむこともある。

訪問看護や生活支援で、相談に応じたり、掃除、洗濯、料理をして子どものめんどうをみる。
そういう支えを、どうすれば届けることができるか。
診療所で患者を待つのではなく、こちらから地域に出かけてゆく。その形をさらに進めるにはどうすればいいか。
そこで出てきたのが、平日だけでなく土日をどうするか、です。

支援は進めたい。でもスタッフが足りないんじゃないか。もっとボランティが活用できないだろうか。子ども支援の施設やプログラムなど、地域にあるほかのリソースを利用したらどうか。そうしたいろいろな議論のなかで、ミーティングでは「スタッフをどう支えるか」もまた重要なテーマでした。
「がんばりすぎない」「楽しく支援する」。
土日にまで広げても、そこは忘れないようにしたいとスタッフは話しあっています。
(2021年6月9日)