26日の日曜日、世界各国で選挙がありました。
ドイツの総選挙が圧倒的に注目されましたが、それはメジャーなメディアに任せ、ここではあえて日本で伝えられなかったマイナーな選挙を記録しましょう。
北欧の小国、アイスランドの選挙です。
ヨーロッパ初の「女性が議会で過半数を占める」選挙かと注目されました。
結局、女性は国会の全議席63のうちの30を占めるにとどまったようです。
それでも、アイスランド議会は女性議員の比率が48%になり、スウェーデンをしのいでヨーロッパのトップに立ったとBBCが伝えています(Iceland misses out on Europe’s first female-majority parliament after recount. Sep. 26, 2021, BBC)。

アイスランドはジェンダー平等で、世界のリーダーです。
世界ではじめて男女平等賃金を法律で決めたのが1961年、世界初の女性大統領を選出したのが1980年。世界経済フォーラムがまとめるジェンダー平等指数で、アイスランドは過去12年連続して一位の座を保っています。
そのアイスランド議会で、史上はじめて女性議員が過半数を占めたかと思われ、一時は大統領が「よい知らせだ」とよろこんだのですが、集計し直したところ過半数にほんの少し届かなかったということでした。
とはいえ48%ってすごいですね。

(政府広報サイトから)
世界的に見ると、女性議員が過半数を占める国は、53%のキューバをはじめ、ニカラグア、メキシコ、アラブ首長国連邦など、ないわけではありません。でも割当性などの制度に支えられたおかげで、まったくの自由投票による結果ではない。それだけにアイスランドの選挙結果には価値があるのでしょう。
アイスランドについて、ぼくは作家のラクスネスなどをとおしてほんの断片を知るだけです。でも最近のミステリーなどを読むと、いまのアイスランドは貧富の格差、犯罪、薬物依存やDVなど、どの社会もが抱えている普遍的な問題に悩んでいることがわかります。

おなじような問題を抱えていながら、なぜこれほどジェンダー平等が進んでいるのか。
なぜ北欧諸国はおおむね、日本にくらべると自由で進んでいるように見えるのか。
自由に価値をおきながら、アメリカ保守派のように暴力的にならないのか。
わからないながら興味はつきません。
(2021年9月28日)