コロナ対策の決め手はワクチン?
これまではそうでした。でも治療薬が登場し、コロナの風景が変わろうとしています。

ことしになってぼくらは、ワクチンを打てば一安心、と思っていました。
ところがワクチンは半年もすると効果が薄れはじめる。だから3回目の接種を考えるようになった。ところが3回やっても何回やっても万全ではない。なぜならコロナにはブレークスルー、ワクチンを打っていても感染することがあるから。
結局、コロナについては不安と安心のイタチごっこがつづくと、あきらめていました。
それが、そうでもなくなったのです。
有望な治療薬が出てきたので。それも2種類も(Antiviral pills from Pfizer, Merck, show promise against worst covid-19 outcomes. November 5, 2021, The Washington Post)。

治療薬のひとつはメルク社の「モルヌピラビル」、もうひとつはファイザー社の「パクスロビド」です。
モルヌピラビルは臨床試験で、患者の重症化を半減させ、死亡者をゼロにする効果のあることがわかりました。
コロナでつねに大胆な施策をとってきたイギリスは11月4日、この薬を世界にさきがけて認可しています。いまごろは臨床での投与がはじまっているでしょう。

またファイザー社のパクスロビドは、臨床試験で89%の患者の重症化を防いだと発表しています。きわめて有望な薬で、こちらは今月中にはアメリカで承認手続きがはじまるでしょう。
どちらも飲み薬です。コロナの症状が出てから3日から5日で飲みはじめれば、ほとんどの患者は重症化しない。死亡のリスクも大幅に減らせる。
治験内容を見た専門家のひとりは、ファイザーの薬は十分な効果があり、投与期間を減らしてもいいくらいだといったと、ポスト紙が伝えています。
アメリカ政府はすでにこの二つの薬を、それぞれ170万人分購入する契約を結びました。

コロナの治療薬は、インフルエンザにかかったときに処方されるタミフルとおなじように使われることになるでしょう。
それはコロナがインフルエンザなみになるということです。気をつけなければいけないけれど、インフルエンザ以上に恐れることはない。そういう病気になるのではないでしょうか。
こういう治療薬についても、ワクチンとおなじように日本は欧米のあとを追うしかありませんね。
(2021年11月8日)