飛行機に乗るのは悪だ、といわれても、すぐにやめるわけにはいかない。
でもこれまでのように、気楽に乗りつづけるわけにもいかない。
どうするか悩んでいるところに、このニュースです。飛行機といえども、二酸化炭素の発生を差し引きゼロにすることは可能。近い将来。
コンブを使って。
BBCがそういっています(Is seaweed the future of flying? November 26, 2021, BBC)。

コンブでどうやって飛行機を飛ばすの?
半信半疑で読んだら、要するにコンブでバイオ燃料をつくるんですね。
バイオ燃料というのは、トウモロコシやサトウキビなどを発酵させ、そこで出てくるアルコールを燃料にすることからはじまっている。
でもアルコールでは飛行機なんか飛ばせない。と思っていたら、いまではアルコールよりずっと高級な燃料をつくることもできるんだそうです、バイオ燃料から。
詳しい説明は省くけれど、農産物から抽出した炭化水素を高温高圧で処理すると、ジェットエンジンを回せるほどの燃料もつくれる。

その原料となる農産物として、コンブが注目されています。
いやこの場合は農産物というより海産物ですね。
とにかくコンブを大量につくって収穫し、いまある石油化学設備をつかって処理すれば、ジェット燃料はできる。
ほんとかな、マユツバじゃないかと思うけれど、実際にアメリカの国立研究所や南カリフォルニア大学で研究が進んでいます。トウモロコシなんかのバイオ燃料より、海藻類、とくにコンブのほうが実用化に向いているらしい。
なぜコンブかというと、成長が速いから。条件さえ整えば1日で60センチも成長し、その過程で大量の二酸化炭素を吸収し、光合成を進める。だから地球に害を与えない。肥料も殺虫剤も不要、しかもコンブの精製には既存の石油化学精製設備がそのまま使えるなどの利点があるんだそうです。すでに、コンブの親戚の藻類を使ったバイオ燃料でエアバスを飛ばした実績もあるとか。

コンブで飛ぶ飛行機!
ちょっと現実感がないけれど、もしそうなればこころ安らかに飛行機の旅を楽しめる。
いまぼくがいる北海道の浦河町と、その周辺の日高地方はコンブの特産地です。沿岸はどこもコンブだらけ。それが航空燃料になるなんて夢みたいです。
やがては、サウジの石油か日高のコンブかと、張り合うような日がくるかも。
(2021年12月2日)