トマトとの出会い

 きょうはみんなでトマトの収穫に挑戦しました。
 場所は浦河から車で40分ほどのえりも町です。国道からちょっと入ったところにミニトマトの大規模な温室があるのですが、その経営者と浦河ひがし町診療所が縁あってつながり、きょうの作業になりました。
 参加したのは診療所のスタッフとデイケアのメンバーなど、合わせて6人。朝8時から温室のなかでの作業でした。日が照ると40度以上になってたいへんですが、きょうは曇天で快適です。

作業を行った温室

 摘み取るのはアイコという銘柄のミニトマト、ずらっと並んだ株にいっぱいなっている実のなかから、できるだけ赤いのを選んでバスケットに入れます。できればガクを付けたまま。
 最初はなれないので、30分あまりでひとり1キロほどの収穫でした。

 それを別棟の作業場で、プラスチックのパックに詰めます。パックひとつが200グラム、完成品には定価のシールを貼ります。かなりの量と思ったけれど、意外にあっけなく終わりました。
 一休みして、もう1サイクル、計2回の作業で10キロ以上の収穫でした。

パックに詰める作業

 はじめてにしては、みんなよくできました。
 でも、そこはひがし町診療所、反省があります。
 ぼくら、ちょっとまじめに働きすぎたんじゃないか。もっと世間話でもしながら、そしてサボるやつもいながら、作業した方がいいんじゃないか。その方が楽だろうし。
 こんどから、メンバーのなかに「働かない人」を入れなければ。
 それが、反省のなかから出てきたとりあえずのポイントでした。

 もしも、トマトの収穫をこれからもひがし町診療所の人びとが引き受けるなら、世間一般とはちがう働き方にしたい、とみんな考えています。
 あらかじめ決まった働き方に合わせて働くのではなく。
 時間やカネに追われるのではなく。何かの目標を達成するためではなく。
 休みたいときに休み、サボりたい人はサボって。
 みんながおなじ働き方をするのではなく。

 そんな夢みたいこと考えてどうするの、といわれるようなことを、考えてみたいというのが浦河ひがし町診療所です。
 最初のトマト作業が終わって、これから先どうするか、それはまずみんなで集まり話し合うことになるでしょう。
(2021年8月12日)