コロナ・ワクチンの、3回目の追加接種が話題になっています。
ぼく自身は、もし受けるとしたらモデルナを避け、ファイザーにしたいと思っています。
モデルナの企業姿勢が疑問なので。
モデルナ社は、コロナ・ワクチンで莫大な利益をあげているのに、途上国を支援しようとしないと、ニューヨーク・タイムズのニュースレターが伝えています(Coronavirus Briefing: Moderna opts for profits. Oct. 11, 2021, The New York Times)。

表向きは、モデルナも国際協力を掲げています。国際的なワクチン供給の取り決め、コヴァックス(Covax)に、3千4百万回分のワクチンを出荷するといっている。でも実績はゼロ。
モデルナのライバルであるファイザー社やアストラゼネカ社が、不十分とはいわれながらも途上国への出荷に努めているのと対照的です。
モデルナ・ワクチンの出荷先は、EUと22の国。すべて財力のある国です。途上国こそワクチンを必要としているというのに、そこにはまったく輸出していない。おまけに値段を高く設定している。
たとえばアメリカにはワクチン接種1回分を約1700円で売っているのに、ボツワナやタイ、コロンビアには3千円で売ろうとしています。
こうしたやり方について、CDC、アメリカ疾病防疫センターのトム・フリードマン元所長は「目いっぱい金もうけする、という考え方で売っているとしか見えない」と批判しています。

バイデン政権もモデルナの反応を疑問視している。
アメリカ政府は去年、モデルナ社にワクチン開発の研究費13億ドルを支出しました。ワクチンの生産や技術移転を途上国にも進めるべきだとしているけれど、モデルナが応じる気配はない。
目いっぱいの金もうけ路線が成功し、モデルナの収益はうなぎのぼりです。ことしの収益は200億ドル、2兆円、企業価値は去年の3倍、12兆円にまでふくれあがったとか。

この1件だけを見て「モデルナをやめよう」というのは筋ちがいかもしれません。
でも途上国を顧みようとしないのは、コロナ対策の基本に背きます。
3回目の接種は、ぼくの場合、受けても受けなくてもそれほどの差はないから、ワクチンを途上国に回すためにも、当分のあいだは受けないことにしようと思います。かりに受けるとしても、モデルナ以外で、ということにしたいですね。
(2021年10月16日)