ワクチンの差

 ファイザーとモデルナ、どちらがすぐれたワクチンか。
 これまで、ほとんど差はないとされてきましたが、ここにきてわずかとはいえ差がついたようです。
 モデルナの方が、ほんの少し効力が長引くようなので。
 科学的にはあえて取りあげるほどの意味はない差だといいますが、モデルナが幾分優位に立った印象はいなめません(Moderna vs. Pfizer: Both Knockouts, but One Seems to Have the Edge. Sept. 22, 2021, The New York Times)。

 ファイザー・ビオンテック・ワクチンは、これまでアメリカでのべ2億2千万人に接種されました。モデルナ・ワクチンはのべ1億5千万人。
 膨大な数が接種されたわけですが、接種から数か月たち、その効果はどう変わったかについて9月、6つの科学的な調査結果が発表されました。

モデルナ社のワクチン (iStock)


 ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに載った研究は、全米25州で接種を受けた5千人の医療従事者を調べ、症状の発生を防ぐという点でファイザー・ワクチンの効果は88.8%、モデルナ・ワクチンの効果は96.3%だったといいます。
 またCDC、アメリカ疾病予防センターの研究は、入院するような重症化を防ぐという点で、ファイザーの効果は接種後4か月で91%から77%に低下するけれど、モデルナの効果は変わらないということでした。
 こうした研究結果によって、ファイザーとモデルナのあいだにはわずかではあるけれど差があると、専門家は考えるようになりました。

ファイザー社のワクチン (Pixabay)

「われわれは基本的にはメッセンジャーRNAワクチンはおなじように働くと想定していた。しかしちがいはあるようだ」と、エモリー大学のナタリー・ディーンさんはいいます。「大きなちがいではないが、そのちがいは変わらない」。
 ただし、と、別の専門家はいっています。
「ファイザーを受けた人は、効力の劣るワクチンを受けたと思うべきではない」
 ファイザーもモデルナも、感染を防ぎ、感染しても重症化を防ぐという点ではコロナ対策の決め手となる有効なワクチンだからです。

 ぼく自身はモデルナ・ワクチンを受け、38度の熱が出ました。友人知人の多くが、モデルナを受けて発熱している。副反応のきついワクチンだなあと思いました。でもいまは、あれは弱いワクチンじゃなかったんだと妙に納得しています。
(2021年9月27日)