10日、北海道浦河から横浜の自宅にもどりました。
コロナ・ワクチン接種のためです。
6月中旬と7月上旬の2回、横浜市の大規模接種会場で予約が取れたので、一時帰宅することになりました。
浦河から千歳空港までのバスはガラガラで、乗客は10人くらいでした。緊急事態とはいえ、北海道の感染はだいぶ収まっています。空港もすいていたけれど、飛行機は座席が半分近く埋まっていたから、少しずつ客足はもどっているのでしょう。

ワクチンの接種が進みだしたのはいいけれど、コロナ対策で日本は遅れたままです。
ほかの国がコロナ以前の日々にもどりはじめ、初夏のライブやパーティや結婚式を楽しんでいるのに、ぼくらはいまだにひっそりと自粛暮らし、暑苦しいマスクを手放せない。電車で隣の人が会話しているのを気にしなきゃならない。みんなで集まって会食を楽しむなんて、まだまだ先の話です。
まわりがみんなそうだから気づきにくいけれど、他の先進国とくらべたら異常です。

ワシントン・ポスト紙は率直に書いています。こんなときにオリンピック開いてどうするのと(Anatomy of Japan’s joyless Olympics: A hyper-cautious bureaucracy and slow vaccine rollout. By Simon Denyer, June 10, 2021, The Washington Post)。
選手は選手村に閉じこめられ、報道関係者も町に出られない。海外の観客はいない。日本の観客もいないか、いてもばらばら。おまけにしゃべるな、応援するな、食べるな。試合が終わったらまっすぐ家に帰れ。こんな「うらさびしい」オリンピックはない。
よろこびと興奮をもたらすのがオリンピックじゃないのか。よろこんじゃいけない、興奮しちゃいけないオリンピックって何なんだ、と。

この記事に引用されていたワクチン専門家のことばが印象的でしたね。
「政府はコロナをただの疾病と見ていた。だけどこれは戦時の非常事態だったんです」
その気構えがなかったから、急展開する事態にいつも後手で中途半端だった。コロナで失敗した日本は、ひとつの戦争に負けたようなものかもしれません。
それでもオリンピックは強行するんでしょう。
傍観するIOCは、金勘定しか頭にないんじゃないかな。
(2021年6月11日)