一喜一憂、また一喜

 オミクロンで世界中が揺れています。
 このブログも揺れました。今月11日には「症状は軽い」とやや楽観論を書きながら、20日には「ワクチンが効かない」と心配ムードを出しました。
 そういう一喜一憂のあとで、きょうはふたたび「一喜」です。いや「二喜」かな。

 イギリスや南アフリカから、オミクロンの症状は軽いという論文が3つ出てきました。「いまの段階では」という但し書き付きで。
 またコロナの治療薬で、オミクロンにも効く「パクスロビド」をアメリカのFDAが承認しました。日本でも1年後には「感染しても大丈夫、錠剤を飲めばいい」となるかもしれません。
 ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストの「コロナ・ニュースレター」がともに伝えています(The New York Times Coronavirus Briefing, The Washington Post Coronavirus Update. December 22, 2021)。

 オミクロンの症状が軽いというイギリスの2つの論文は、デルタ株の感染者にくらべて重症化が半分から15%くらい少ない、というようなものです。一方南アフリカの論文は、オミクロンで重症化するのはデルタの20%程度と、あきらかにオミクロンは軽い傾向を示しています。
 とはいえ、イギリスだけでなく各国のオミクロン感染者は急増しているので、いずれ病院は入院患者であふれるでしょう。医療逼迫、崩壊が心配です。

 治療薬のパクスロビドは、ファイザー社の飲み薬で、コロナに感染して症状が出てから5日以内に飲みはじめれば重症化や死亡は89%防げるという、かなり期待の持てる薬です。FDAが22日、12歳以上の患者への投与を承認しました。
 日本ではまだ申請も出ていないので、いつ使えるようになるかはわかりません。心配なのはファイザー社の製造能力が十分にあるかどうかです。アメリカではパクスロビドを飲んで助かるけど、日本では薬が飲めないというようなことがなければいいのですが。

 ところで、22日ポスト紙のニュースレターにはふしぎな情報がありました。
 南アフリカで、どういうわけかオミクロンの感染が急激に減っているのです。原因はよくわからないけれど、南アフリカは若者が多いので自然感染が進み、鎮静に向かっているのではないかという見方もあるようです。
 その一方、ポスト紙は日本の感染が異常に少ないことに驚いています。これもなぜなのかよくわからない。韓国は感染が急増しているのに日本はそうならないのはなぜか。ちがいを生む「ファクターX」は何なのか。
 日本人って、こもってがまんしすぎる人たちじゃないかという気もするのですが。
(2021年12月23日)