きのうにつづいて中国です。
この写真を伝えたいと思いました。

ツイッターに載った写真です。
中国国内のどこかの建物の壁に、夜、プロジェクターで投射されたメッセージです。「彭帥 希望你平安」とある。
「ペンシューアイ、あなたが安全であることを願っています」。
彭帥、ペンシューアイさんは、中国女子プロテニスのトップ・プレイヤー。
中国共産党の幹部に性的暴行を受けたと告発し、消息不明になりました。彼女の告発はネット上にアップされてから、30分以内に消去されてしまった。しかし消去されるまでに1千人が閲覧したとされ、その内容が世界に伝わりました。
中国国内では、この件はいっさい報じられていません。
でもこうして、ペンシューアイ選手を支援する声が中国にもあります。

(Credit: JCTennis.com, CC BY-SA 2.0.)
「フリー・チャイニーズ・フェミニスト (FreeChineseFeminists) 」、中国女性の人権問題を訴えるアメリカのフェミニスト団体が、ツイッターで紹介していました。
どこからか中国国内の写真を入手し、掲載したのでしょう。真偽はわかりませんが、投稿内容からそう読みとれます。
ほかにこういう写真もありました。

どこかの陸橋の下の壁に投射されたメッセージです。
中国のミートゥー(#METOO)、性的脅迫、性暴力、性差別にノー、中国女性は沈黙しない、とあります。
いまの中国で、こういうメッセージを出すのはいのちがけでしょう。
でも声をあげる人がいる。その声を消し去ることはできません。
このツイッターは、中国の女性問題の専門家、ホン・フィンシャー博士がニューヨーク・タイムズのオピニオン欄への投稿で紹介していました(Why Peng Shuai Has China’s Leaders Spooked. By Leta Hong Fincher. Dec. 2, 2021, The New York Times)。
フィンシャー博士の投稿そのものが紹介できないのは残念です。でも博士もまた、ペンシューアイ選手の告発のなかにあった次の一文を引いていました。
「壁に投げられる卵となっても、火に飛びこむ蛾となっても、私は真実を述べる」
真実を述べる声が、中国にも存在しています。
(2021年12月4日)