スーパーにならぶ果物や野菜の、プラスチック包装が禁止されました。
フランスでのことです。いずれ日本もそうなるんじゃないでしょうか(French ban on plastic packaging for fruit and vegetables begins. 31 December 2021, BBC)。

プラスチック包装が禁止されるのは、キュウリ、レモン、オレンジなど30種類の果物、野菜です。これまではその3分の1がプラスチック包装でしたが、1月1日からは新法施行でなくなり、年間10億点のプラスチックが減るだろうと見られています。

フランスは2040年までにすべての使い捨てプラスチックをなくすことを目標にしており、今回の措置はその一環です。
新法の施行にあたってフランス環境相は、われわれは「恐るべき量の」プラスチックを使い捨てている、新法はその代替手段を進め、再生可能材料への切り替えを促すものだ、と声明を出しました。
プラスチックの段階的削減に向け、フランスはさまざまな動きを取っています。
昨年はプラスチックのストロー、カップ、使い捨てのプラスチックフォークやスプーン、持ち帰り用などに使われる発泡スチロール容器が禁止されました。
ことしは公共の場に「水飲み場」をたくさん設置する動きがはじまります。水飲み場があれば水のペットボトルが減るだろうから。これは去年、イギリスのグラスゴーで開かれたCOP26、国連気候会議でも取られた対策です。

むかし、水ってのはそこらへんの水道の蛇口から飲むのが当たり前でした。ぼくらはこれから、水のペットボトルを持ち歩くことにだんだん罪悪感を感じるようになるでしょう。
ことし後半から、フランスでは印刷物をプラスチックの封筒に入れるのも禁止です。ファストフード・レストランが子どもたちにくれるおもちゃの景品のプラスチックまで禁止される。
矢継ぎ早の対策に、ちょっとやりすぎじゃないかという不満も経済から出ています。こんなスピードで禁止されたら、再生可能容器の開発が追いつかない、などなど。

でもこの流れは止まりません。ヨーロッパのいくつかの国もおなじような動きを取りはじめています。気候変動対策にかんしては「待ったなし」という気分が、有権者のあいだに広がっているからでしょう。
日本の有権者には、この「待ったなし」という気分がないんじゃないでしょうか。かつて緑の党というのがあったけど、あれはどうなったのか。ヨーロッパと日本のちがいは何なんでしょうか。
(2022年1月3日)