「ブローワー廃止」という声が高まっています。
ガソリンエンジンで風を吹き出し、庭や歩道の落ち葉やゴミを掃除する道具ですね。リーフブローワーとも呼ばれている。最近日本でも職人さんが使うようになりました。
このブローワー、じつはたいへんな大気汚染の元凶です。
ブローワーや芝刈り機など、庭作業用のガソリンエンジンを全面的に禁止しようという動きがはじまりました。

先頭に立つのはカリフォルニア州。小型ガソリンエンジンを2024年までに全廃する、という法律をつくりました(October 12, 2021, The Washington Post)。
アメリカの住宅街のどこでも響きわたるブワー、ブワーというブローワーの轟音が、これでかなり消えることになります。
法律をつくったカリフォルニア州議会議員のロレーナ・ゴンザレスさんは、小型ガソリンエンジンは「環境に悪いだけでなく、使用者にとっても呼吸器系などの害になっている。スーパー汚染源だ」といいます。
そう、スーパーです。
ぼくも知らなかったのですが、カリフォルニア州大気資源局によれば、リーフブロワーを1時間使うと、トヨタ・カムリを1700キロ運転したのとおなじだけの大気汚染を起こすそうです。
つまり作業用の小型エンジンは、排気量数十CCと小さいけれど、大量の二酸化炭素などの有害物質を出し、スモッグの原因になる。地球温暖化の原因にもなっているというわけです。
ガソリン車をなくす以前に、庭の小型エンジンをなくさなきゃいけないんですね。

じつはぼくも北海道にいるときは小型ガソリンエンジンをつかっています。
草刈りをするときの「刈払い機」ですが、これも、早めに廃棄しなければならない。とはいえ、エンジンなしでどうやって雑草と戦えばいいんでしょうか。手で刈るなんてとても無理です。
救いがないわけでない。ガソリンから電池式に替えればいい。
電池式は力が弱いので、作業には手間と時間がかかる。でも温暖化対策のためには、その不便を引き受けなければならないということでしょう。
楽に、短時間で効率的に、から、ちょっと手間ひまのかかる暮らしへ。
「不便になる」。それを不便ではなく、こころの平和と思えるようになれば環境対策はいまよりも進みます。
(2021年10月27日)