手話の子、写真展

 手話でしゃべる子どもたちの写真展が開かれます。
 タイトルは「日々、手話、楽し。We fully enjoy our life with sign language.」
 3月25日から29日まで、横浜市青葉区の「スペースナナ」にて。

http://spacenana.com/

 日本でただひとつ、ろうの子どもたちが手話で学ぶ私立ろう学校、明晴学園。写真展はその明晴学園(ぼくの前の職場です)での記録です。

展示写真の一部

 手話で考え、話し、学ぶ、“手話の子ども”たち。
 彼らの日常を、学校の職員で手話通訳者でもある清水愛さんが記録しました。清水さんは2012年から、業務の合間をぬって子どもたちのなかに入り写真を撮りつづけています。
 撮影した写真は、折にふれ職員室前の廊下に展示されるようになりました。「廊下の写真展」は子どもたちの人気の的です。授業の合間に子どもたちは写真をながめ、指さしながら自分たちの日々の記録を楽しむようになりました。

展示写真の一部

 写真のなかには、あちこちに手話が写っています。音声言語は写真に写らないけれど、視覚言語である手話は写真に写ることがあります。そんな写真を見て、子どもたちは誰が何をいっているか、どんな場面だったかを鮮明に思い出すでしょう。写真はまるで字幕が写りこんでいるかのように、特別な意味を持つことがあるのです。

 そのような写真が、今回スペースナナに展示されます。
 手話やろう者のコミュニケーションになじんだ人は、写真から子どもたちの感情を生き生きと感じることができるはず。手話を知らない人でも、子どもたちの表現のゆたかさを感じとることができるでしょう。

清水愛さん

 今回展示される写真は、明晴学園の廊下にあるのとおなじように印画紙ではなく普通紙に複写機でプリントされました。
 子どもたちが日ごろ学校の廊下で見ている写真が展示されます。
(2021年3月7日)