偉大なるチキンバーガー戦争はじまる。
マクドナルドがチキンバーガーの新メニュー発表。さて味はどうか?
マックの新製品を含め、アメリカで人気のチキンバーガー5種をワシントン・ポスト紙の記者3人が食べくらべるという調査報道が載りました(Where does the new McDonald’s chicken sandwich rank? Turns out, the Arches fall flat. Feb. 26, 2021, The Washington Post)。こういう記事が出ると、読まずにいられません。

残念ながら、マック製品の評価は最下位でした。肝心のチキンが「議会の公聴会ほどに味気なかった」し、「パンが甘すぎる」「これじゃケーキだ」とか。スパイシー・ソースをつけると少しましだけど。
それよりよかったのはウェンディーズとケンタッキー・フライド・チキン。まあ許せる範囲。評価が高かったのは第2位のチック・フィレ(Chick-fil-A)と、第1位のポパイ(Popeyes)。ポパイのチキンバーガーは肉が大きいしパンがブリオッシュみたい、とポスト紙の記者3人はこれが最高だったようです。

ポパイのチキンバーガー。日本にも米軍厚木基地などにあるらしいけど、わざわざ出かけるほどでもないか。近所なら別だけど。
それより、この際ぼくはマクドナルドを持ちあげておきたい。もしジャンク・フードを選ぶとしたらぼくはまずマックなのです。日本でもっとも早く店内の禁煙を実施したから、ということもあるけれど、マックにはずいぶん助けられたよなあと思うからです。

70年代から90年代、ぼくはよく外国で仕事をしました。大きな事件や事故がかあるとすぐその現場に行く担当だったので。
国際電話も自由に使えなかったし、もちろんネットもない。わけもわからず走りまわって、時差をこえ東京とつながり記事を書く、映像を送る。ホテルがなくても食事はしなければならない。そういうとき、どの国であれ、どの街角であれ、「マクドナルド」の看板にどれほど救われたことか。ことばができなくてもメニューを指させばいい。暖かいコーヒーとハンバーガー、ポテト。あれ、ちょっと味がちがうかな、というくらいで、だいたい食べられる。食べられれば、また動ける。
多くの人があれをジャンクだ不健康だと軽く見るけれど、ぼくには救いの神だったのです。
ポスト紙が取りあげたマックの新製品は日本のメニューに載っていない。載ったら食べてみようかな、いやもういいか。
(2021年2月28日)