手話の子どもたちの写真展が、きょうからはじまります。
手話を母語として育った子どもたち、一般的にはろう児と呼ばれますが、その子どもたちの学校生活の記録です。
タイトルは「明晴学園写真展 日々、手話、楽し We fully enjoy our life with sign language.」。
横浜市あざみ野のコミュニティ・スペース、「スペースナナ」で、3月25日から29日にかけて午前11時から午後5時まで。入場無料です。

(横浜市、あざみ野)
きのう、24日はスペースナナで写真の展示作業が行われました。
写真を撮影した、明晴学園職員で手話通訳者の清水愛さんが、自ら3時間ほどかけて100枚近いB4版のプリントを展示スペースに貼りつけてゆきました。
一般的な写真展とちがって、プリントは普通紙にゼロックスで印刷してあります。
いつも学校で子どもたちが見慣れているスタイル。それが整然と、ではなく、傾いたり重なったり、子どもたちに合わせて雑然と貼られています。

なかには「重ね貼り」も。
1枚の写真の下に、もう1枚の写真があります。上の写真をめくると、その下から「次のシーン」が出てくる。
「おとなは上の写真だけ見るけど、子どもは下にもう1枚あるとかならずめくる。めくってみるんです」
子どもをよく知っている清水さん。子どもと一緒に遊んでいます。

普段着の子どもたちがそのまま写っている、普段着の写真展。展覧会っていうよりは、子どもたちが教室で発表会をしているような気分です。そこまで撮影者が撮影対象のなかに入りこんでいる。
それができたのは、清水さんが子どもたちの「ふだんのことば」、手話のなかに入りこめたから。手話の子どもたちを、その内側から伝える写真展になっています。
(2021年3月25日)