きょうは田んぼに柵をつくりました。
細いポールを立て、電線を張って電気を流す「電柵」です。
シカやキツネが田んぼに入らないようにする、米作りの準備作業。この電柵に、グループホーム「すみれⅢ」の住人とデイケアのメンバーあわせて4人が参加しました。たまたま診療所で実習中の学生も2名、加わっています。

浦河ひがし町診療所の精神科デイケアは、北海道に緊急事態宣言が出たため開店休業状態です。開いてはいるけれどプログラムはほとんど中止、デイケア・メンバーの多くは自宅待機のような形になりました。
もともと引きこもりのプロが多いので、そうなったからといってすぐに大きな混乱はないのですが、みなそれぞれにケアは必要です。スタッフの訪問を増やしました。そうした特別体制のもとでも、屋外での活動はいいんじゃないかということで田んぼ作業です。密にならないよう少人数、小規模で。

田んぼは、診療所から車で15分ほど行ったところです。
広々とした田園地帯の真ん中で、デイケアにはないのんびり感があります。暑くなく寒くなく、ほどほどの陽気のもとでヒバリの声を聞きながら1時間あまりの作業でした。
1反ほどの田んぼの周囲にポールを立て、電線を3本ぐるっと張りめぐらし、最後に蓄電池を接続して終わりです。
都会から来た実習生たちは、はじめて見る電柵に、お、ビリっと来る、なんて触ってよろこんでいました。

ひがし町診療所が田んぼで米作りをはじめて、ことしで7年目になります。
今週末の22日は、ここで田植えです。本来ならたくさんの人が参加して地域のお祭りになるはずが、ことしはとてもそうはできません。かぎられたスタッフと少人数のメンバーが、簡素で実質的な田植えをすることになるでしょう。

ひとつ気がかりなのは、苗の育ちがよくないことです。4月以来の気温が低かったので。
でも診療所の人たちはいっています。そういう年もあるよね、と。
何ごともこちらの思う通りにはいかない。いい米ができることもあればそうでないときもある。それでいい。
米だって、自分なりに育とうとするんだから。
(2021年5月18日)