花の名前を知る

 2,3日前から庭に赤い花が咲いています。
 どこかで見た覚えのある花だけれど、なんだかわからない。
 そういうとき、最近はみんなスマホで調べている。グーグルの「レンズ」というアプリ。スマホのカメラで撮ると、ボタンひとつで花の名前をグーグルが教えてくれます。
 やってみたら、即座にわかりました。

 これは「グロリオサ」っていう花なんだそうです。
 ときどき見た覚えはあったけれど、名前は初耳でした。
 グーグルってすごい。ぼくらはもうグーグルなしで暮らすのは、不可能じゃないけどかなり不便だ。

 つづけて調べました。
 うちのすぐ近所の歩道に咲いている薄紫の花。これをグーグル「レンズ」で調べると、こんどは名前が2つ出てきます。

 ムラサキクンシランと、アガパンサス・プラエコクス。君子蘭はわかるけど、アガ何とかは舌をかみそうだ。この2つがよく似ていてスマホの画面じゃどっちがどっちかわからない。パソコンで調べて事情がわかりました。

 ムラサキクンシランの学名はアガパンサス(Agapanthus)。アガパンサスには亜種、似たようなのが6種あって、そのひとつがアガパンサス・プラエコクス。要するにどっちもムラサキクンシランです。
 グーグルはぼくの画像を深読みしすぎて、特殊なムラサキクンシランまで「候補名」をあげてしまった。スマホじゃなくてヒトだったら、よけいなお世話。
 パソコンでは、ムラサキクンシランの英語名はアフリカン・リリー。アフリカのユリ、こっちのほうがロマンチックです。別名のムラサキヒガンバナもわかりやすい。

 グーグルは便利だけれど、なんかもの足りない。
 それは、「これはムラサキクンシランです」というだけでなく、「アフリカ原産なんだよね」とか、「これ、ムラサキヒガンバナ、っていうんだよ」という“おまけ”がないからじゃないか。
 親や祖父母は、花の名を教えてくれるときそういうおまけを付けてくれた。

 グーグルも、そういうおまけをきっとすぐに付けるんだと思う。
 おそろしいような、さびしいような。
(2021年6月28日)