車に乗らない人には千ドルあげます。
みんなが車に乗らなくなれば、炭素の排出を減らせるので。
こんな大胆な「反クルマ給付」を、カリフォルニア州が発表しました。
名だたるクルマ文化の州が、まるでクルマを否定するかのような動きに、決しておざなりではない気候変動への意志を見ます(Why California wants to give residents $1,000 not to have a car. September 1, 2022, The Washington Post)。
この施策は、カリフォルニア州民で自家用車を使わない人に、年収4万ドルまでなら年に1千ドル支給するというものです。日本円で年収560万円までなら、年に14万円もらえるということですね。共働きの場合でも合計収入6万ドルまでは受給資格がある。
もしも車を手放したなら。
車をできるだけ減らし、ガソリン消費を抑えて炭素排出量を減らすためです。
1週間前にもカリフォルニア州は、2035年までにすべてのガソリン車の販売を禁止すると発表しました。車に乗るならEV、電気自動車にしなさいと。ハイブリッド車も若干は認めるけれど規制を強め、いずれカリフォルニアの車はぜんぶEVにしたいということです。
すでに州内では18%の車がEVになっている。ガソリン車廃止の動きはこれからぐんと進むでしょう。ハマーやマスタングといった高馬力のスポーツタイプ車も電気モデルになり、電気への流れは止まりません。
ガソリン車をEV車に変える。しかも全体の数を減らす。その一方でカリフォルニアはクリーンで持続可能な発電を増やす。
2035年までには州内発電量の90%は太陽光発電などに変わり、2045年までには炭素排出量を85%カットするという目標もあります。
こういうダイナミックな政策で、カリフォルニアはこれまでとはちがう新次元の社会、経済へと、変貌し発展することでしょう。
EVへの切り替わりは進まず、太陽光発電ではおくれをとり、原発を復活したいなんてぐずぐずいっている日本とは、根本がちがいます。
車をやめようという政策には、個人的な感慨を覚えます。
ぼくはことしで、もう車に乗るのをやめようと思っているので。年齢の問題もあるけれど、最近はますますガソリン車に罪悪感を抱くようになったし。
でも車をやめても日本には給付金がない。ちょっと残念です。
(2022年9月6日)