集団免疫への道

 日本でも医療従事者以外にワクチンの接種がはじまりました。
 横浜市は予約が殺到して受付サイトがすぐにダウンしたとか。しばらくは混乱がつづくでしょう。
 コロナ・ワクチンの接種がどれほど進んでいるか、各国の比較はオックスフォード大学のサイトがよく引用されています。
https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

 それによると、5月5日時点で少なくとも1回の接種を受けた人の割合は以下のとおりです。
 イスラエル 63%
 イギリス  51%
 アメリカ  44%
 韓国     7%
 日本     2%

 社会全体の70%がワクチンを受ければ、もう感染が広がらない「集団免疫」を達成したことになる、といわれます。
 イスラエルとイギリスはワクチンの接種が進んだほか、すでにコロナに感染して回復した人も相当数いるので、それを合わせれば集団免疫を達成したようです。実際、新規感染も死亡者も劇的に減りました。ロックダウンは解除、マスクやディスタンスの規制もほとんどなしで、みんなカフェやパブに集まりわが世の春を楽しんでいます。

 一方、アメリカはちょっとちがう。
 集団免疫は近い将来には達成できないという悲観論が広がっています。保守共和党系のマッチョな男たちの多くがワクチンなんかいらないといっているので。コロナはアメリカ社会のあちこちで長期間くすぶりつづけるでしょう。そうこうしているうちに強力な変異株が出現しなければいいのですが。

 その一方で、集団免疫を達成したはずなのにまたあともどり、という国もあります。
 インド洋のセーシェルは、ワクチンの接種率が69%、世界でもっともコロナ対策の進んだ国でしたが、最近ふたたびコロナが急激に広がり鎖国状態にもどりました(May 7, 2021, The Washington Post)。

セーシェル

 接種に使ったワクチンの6割が中国製だったこと、それに早い段階で規制を解除し、大量の観光客を受け入れてしまったことが原因と見られています。ワクチンの3回目の追加接種が必要なのかもしれません。
(2021年5月7日)