イスラエルが「集団免疫」を達成したのではないか。
BBCが報じています。
イスラエル国民はマスクなし、ディスタンスなしでほぼ自由に暮らせるようになったと(Covid: ‘Israel may be reaching herd immunity’, 14 April 2021, BBC)。

BBCによれば、イスラエルは900万国民のうち530万人、59%がワクチンの接種を終えました。それに加え、すでに83万人がコロナに感染し回復していることを考えれば。国民の68%がコロナに対する免疫を獲得したことになります。
社会全体の65%から70%が免疫を獲得すれば、感染は自然消滅に向かう。イスラエルはすでにその段階に達しているというわけです。
たしかに感染は減っている。
イスラエルほどではないけれど、ワクチンの接種が全国民の48%まで進んでいるイギリスも、今週になってロックダウンの解除をはじめました。パブでビールを飲む人たちが久しぶりの友人との再会、「密」を楽しんでいます。

コロナ禍がはじまって1年。
はじめのうち感染が少ない日本は優等生に見えた。でもすぐにわかったのは、ワクチンなしでいくらがんばってもコロナの出口はないということです。
イスラエルの戦略は大胆でした。国民の医療保健データをアメリカの製薬会社に提供し、ワクチンの治験を進めやすくして見返りにワクチンの優先供給を受けた。いわば製薬メジャーとの戦略的取引にふみきり、成功しました。
そしてイギリス。去年3月の段階でワクチンが勝敗を分けると判断していた。だから投資のエキスパートに依頼し、ワクチン製造に大胆な先行投資を行って契約を進めた。おかげで開発されたワクチンを優先的に手に入れ、パンデミックの終わりを迎えようとしています。
あのトランプ政権のアメリカですら、ワクチンに巨額の投資をした。いま3種類のワクチンを手にして1日300万から400万回の接種を行い、接種率は37%、ビジネスも暮らしもすべてが再開に向かっています。

日本のワクチン接種は1日10万回程度。1か月かけて国民の1%程度です。
70%の集団免疫まで70か月かかるんだろうか。
コロナって、国のちがいを浮き立たせますね。
(2021年4月15日)