3回目の接種は必要か

 コロナ・ワクチンは、接種から半年で効力が半減するかもしれない。
 その場合、3回目の接種が必要ではないか。
 こんな議論がはじまっています。

 こまりますよね。またあのめんどうな予約をして、出かけて注射され、腕が痛くなったり熱が出たりするのは。でも、しょうがないのかな。そんなことを考えてしまうニュースを、ニューヨーク・タイムズが伝えています(Israeli Data Suggests Possible Waning in Effectiveness of Pfizer Vaccine. July 23, 2021, The New York Times)。
 タイムズの信頼できる科学記者、カール・ジンマーさんの記事なので、それなりの重みがあります。

 情報の出もとはイスラエル。
 イスラエル保健省は23日、ファイザー・ビオンテック・ワクチンは接種から半年後には、感染防止効果が39%に落ちている可能性があると発表しました。

 39%?
 4月の時点では95%と発表されていたのに。
 その内容をよく見ると、これはことし1月から4月にかけて接種を受けた人についての調査結果だとわかります。つまり、ワクチンを接種してから半年近くたつと、効果は半分以下になると示唆しているのです。

ファイザー・ビオンテック・ワクチン

 イスラエルは世界で最も早くワクチンの接種をはじめたので、半年後のデータが得られました。もっとも、39%という数字は少数の症例をもとにしているので、さらに調べれば変わるだろうともいわれています。

 それでも、ワクチンはとても大事です。
 ファイザー・ワクチンはこの間ずっと、重症化を90%以上防いできたのですから。
「感染防止」効果は薄れるかもしれないが、ワクチンを接種していれば感染してもほとんど風邪ていどですみ、入院するほどひどくはならない、ということです。

 イスラエルでは、ファイザー・ワクチンに関しては「3回目の接種」が必要ではないかという議論がはじまっているようです。

 じつはイスラエルからは今月はじめ、64%という数字が出ていたことをこのブログでも紹介しました(7月11日)。それからさらにワクチンの「成績」が下がったかに見えます。でもワクチンの専門家にとっては、いずれも想定の範囲内のようです。
(2021年7月24日)