え、日本政府ってそんなことしてるんですか?
おもわず目を疑ったニュースがあります。
おととし日本を訪れたアメリカのポンペオ国務長官(当時)に、日本政府はなんと60万円もする超高級ウィスキーをお土産に贈っていたとか。それが、バイデン政権の監査で明らかになりました($5,800 Whiskey Bottle, a Gift From Japan to Pompeo, Is Missing, U.S. Says. Aug. 4, 2021, The New York Times)。

問題のウィスキーは5800ドル、どのメーカーかは明らかにされていませんが、当然日本製でしょう。このレア物が2019年6月24日、日本政府幹部(oficials)からアメリカ国務省に贈られたと、アメリカ側の記録に残っています。
アメリカ政府職員は、外国政府からの贈り物を受けとってはならないと法律で決まっている。ポンペオさん自身はそんなもの受けとった覚えはないと否定しているけれど、どうなったかはわからないようです。

トランプ政権の人びとは、こういうことにルーズだったとタイムズ紙はいっています。
ポンペオさんに対しては、かつて監査人が「国務省職員を私的に使っている」などの指摘がありました。なんでも、職員に犬の散歩をさせるなどの「疑惑」があったとか。ところがその件を調べていた監査人をトランプ大統領が更迭してしまったので、「疑惑」の調査も立ち消えてしまいました。
そんなぐあいだから、ウィスキーの一本くらい、どってことないだろうという感覚だったんでしょう。その味がわかる人たちでもないだろうし。

もしトランプ政権がつづいていれば、60万円のウィスキーが明るみに出ることはなかった。新政権になり、新しい監査体制で不正や疑惑のあれやこれやが明らかにされている。
その最大のものは、トランプさん自身が司法省をはじめとする連邦政府、州のあらゆる組織に働きかけ、大統領選挙の結果を強権的にくつがえそうとしたことでしょう。この「民主主義転覆疑惑」を、いまアメリカ議会が究明しようとしています。
そういう大疑惑は、ぼくの能力では追いきれない。
でも貧乏人のやっかみで、高級ウィスキーには反応してしまう。
ぼくらの税金ですよ、60万円。そんなものを贈る日本の政府、政治家って、前世紀のままの時代感覚じゃないでしょうか。
(2021年8月5日)