どうするブースター

 オミクロンの変異が進んでいます。
 ちょっと目を離したすきに、オミクロン変異株がどんどん現れている。
 新型コロナウィルスの新型の、さらにその新型があれこれ出てきて、もう百花繚乱といいたくなるほどです(XBB, BQ.1.1, BA.2.75.2 — a variant swarm could fuel a winter surge. October 18, 2022, The Washington Post)。

 コロナウィルスは、WHOの分類では COVID-19 。
 その変異株のオミクロンは当初 B1.1.529 と呼ばれていました。それがその後さらに変異し、BA.4.6 だの BF.7 、BA.2.75.2 なんていう変異株になっています。いまアメリカには最新型の BQ.1 や BQ.1.1 が登場。これら最新型の「BQ系」は全症例の3%だったのが、この2週間で11%にまで急増しています。
 じゃあまもなく「オミクロンBQ」が席巻するのかというと、そうではないらしい。
 オミクロン変異株がいくつも併存するという、これまでとはちがった流行形態になるようです。

 問題は、そういう新顔のコロナウィルスに既存のワクチンが効かなくなっていることです。
 ぜんぜん効かないのではなく、ある程度は効く。でもウィルスの変異が激しくなればなるほど、従来のワクチンは効力が落ちてゆきます。
 それに加え、ワクチンの効果が時間とともに低下する。初期のファイザーやモデルナのワクチンだと、2回接種しても半年たてば効果は半減です。相手がオミクロンの最新型だったらかなり低度の効果になる。けれどブースターを打てば、免疫力はそこそこ復活すると、ほとんどの専門家はいいます。だからやっぱりブースターは受けた方がいい。

 そういう記事を読み、ぼくも渋々ではあるけれど5回目の接種、ブースターを受けるしかないと思うようになりました。そうすることには別の意味もあると、ハーバード大学のジョナサン・エイブラハム准教授はいっているようです。
「私たちが、免疫力が十分ではない人たちのことを忘れて自分だけは大丈夫と思っていても、その間にウィルスは新しい、さらに危険な形になっているかもしれない」
 そうならないよう、できるだけ感染を広げないことが大事だというのですね。

 感染が広がれば広がるほど、ウィルスが変異する確率は高くなる。変異が重なって、ある日オミクロンの次の、もしかしたらずっと危険なウィルスが誕生するかもしれない。それは避けられないことかもしれないけれど、避けるためにできることはする。だからブースター。それがウィズ・コロナの時代のこころがけなのでしょう。
(2022年10月21日)