フキノトウ満開

 25日、羽田空港から北海道に向かいました。
 飛行機の乗客はだんだん増え、コロナ以前に近づいています。感染はあっても旅行するのに以前のような緊張感はなくなりました。
 浦河に行く長距離路線バスも、コロナで減便になっていたのが5月の連休中は復活するようです。観光客がもどりはじめているのでしょう。

 新緑があふれる横浜から来ると、北海道は冬にもどった気分です。
 とはいえところどころにコブシの白い花が浮かび、道端にはタンポポも見えます。それ以上に目立つのがフキノトウ。どこでも冬枯れのなかに点々と緑色をなしています。

 浦河のぼくの家の近所では、ヤチブキが咲いていました。この季節になるとヤチブキは山菜採りの人にとられてなくなってしまうのですが、ほとんど人が入らない小さな沢だったので残っていたのでしょう。それとも過疎の町の人口が減りすぎて、最近は山菜取りをする人がいないのかもしれない。

ヤチブキ

 きょうは午後、浦河ひがし町診療所の様子を見に行きました。3月に足の手術をした精神科医の川村敏明先生は元気で、もう松葉杖を使っていませんでした。
 デイケアに行くと看護師の竹越靖子さんが「ちょうどいい、これ持ってって」と、たくさんのホウレン草をくれました。きのう、メンバー何人かが収穫作業に行って持ち帰ったのだとか。なんでも春になってホウレン草が大きくなりすぎ、商品にならないのだそうです。ふつう30センチくらいのホウレン草が倍くらいに伸びている。それを剪定ばさみで刈り取ったのを、診療所に来る人たちに分けていました。
 根なしの、葉っぱだけのホウレン草です。

 味は変わりません。スーパーで野菜を買っている人は、高い買い物をしているんですね。味ではなくホウレン草の「きれいにそろった束」の見てくれのために。

 家に帰って水につけたら、しおれていたホウレン草がシャキッとしました。写真では大した量に見えなくても、直径33センチのボールにたっぷり、ふつう売っている束の数倍あります。もちろん食べきれないので、調理してかなりの量を冷凍しました。

 ホウレン草だけでなく、トマトでもキュウリでもカボチャでも、ときにはサケやツブ貝でも、ごそっとたくさんもらうことが浦河ではよくあります。その対処法を身につけると、こういうところの暮らしがだいぶ楽しくなります。
(2022年4月26日)