スマホのシートベルト

 デジタル時代に子どもの精神保健をどう守るか。
 アメリカ小児学会が新しいガイドラインを出しました。
 デジタルの社会的な枠組みを変えると同時に、保護者に対してたんにスクリーンタイムを制限する以上のかかわりを求めています(Screen time limits for children are no longer enough, new US report finds. 25 Jan 2026. The Guardian)。

 スクリーンタイムは、スマホやタブレット、パソコンなどの画面を見ている時間。これを短くすればいいと、これまではいわれてきた。けれどそれだけでなく、「スクリーンのあり方」を変えなければならないというのが新しいガイドラインの主張です。

 ノースウェスタン大学のジェシカ・シュレーダー准教授は、このガイドラインは「企業と社会の構造的な責任を強調」していると評価します。うつや不安など、青少年の精神保健が悪化しているのは、スクリーンを「見る」側の問題とされがちだけれど、それを「見させる」側の問題にもっと注目したい。
「ソーシャルメディアやアプリはすべて、子どもの目を釘付けにさせる。企業は彼らを守ることなんて眼中になく、親が何をしようがうまくいかないようにできている」

 小児科学会のガイドラインは、親に責任がないといっているわけではない。未成年者のデジタル利用を、親が「追跡」するよう求めている。
 ガイドライン作成者のひとり、ティファニー・マンザー博士はいいます。
「すべてを監視できなくても、子どもが何をしているかは見ていたほうがいい」
 監視ではなく追跡。これはなかなかむずかしい。
 ほお、と思ったのは、ある保護者が、スマホを自動車にたとえていったことでした。
「親はスマホのシートベルトになればいい。それが子どもにとって不愉快であっても」。
 スマホを「運転」するときは、「親の目」というシートベルトをする。禁止とか制限というより、なんだかわかりやすい。子どもが納得するかどうかはともかく。

 最近、ぼくの知り合いが“断スマケース”を買いました。

”断スマケース”(スマホロックボックス、アマゾンのサイトから)

 断スマホ、つまりスマホを使わないよう、ロックして閉じ込めておくケースです。スマホロックボックスともいうらしい。自分で設定した時間内はこのケースに入れておけばスマホが使えない。使いすぎ、依存を防ぐといいます。
 実際に使ってみたら、なかなかいい、納得できるといっていました。
 そうやっておとなは自分で対策を立てられるけれど、子どもはそうもいかない。
 やっぱりシートベルトは必要でしょう。
(2026年2月16日)