このサイトの情報源は、ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストが中心です。
アメリカのこの2紙は、日常的にすぐれた報道や解説、オピニオンを伝えています。そのなかでぼくが興味を持ったものを紹介しつつ、ぼくの感想や反応を書き加えています。出典は明示しますが、元の記事とぼくのコメントは混在することが多くなります。学術論文ではないので、そこは明確に区別していないことをご了解ください。


タイムズとポスト以外のメディアは、イギリスのテレビBBC、新聞ガーディアン、アメリカの雑誌アトランティックやニューヨーカーも登場することがあります。ときどき朝日新聞の記事も引用します。


ぼくは1991年に第1次イラク戦争がはじまったとき、テレビ局のワシントン特派員でした。当時から思うところがあり、日本の新聞やテレビはほとんど見ませんでした。おかげで日本の特派員にしてはイラク戦争の展開を比較的正確に見通せたと自負しています。その経験から、世界的規模の大変動が起きたときは、本能的にアメリカのメインストリーム・メディアに頼ることにしています。
もう組織ジャーナリストではありませんが、今回も2020年にコロナが起きたときはすぐ、ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストのネット購読をはじめました。2年後にはウクライナ戦争が起きています。この2つの世界的な大変動を、タイムズとポストの2紙を通して見つづけました。そうすることで、ぼくは日本のメディアとは別の見通しを持てることが多かったとふり返っています。
ぼくはかつてテレビ報道記者でしたが、かなり前からテレビは見ていません。テレビを批判するからではなく、ネットの方が見やすいので。
ということで、日本の大多数の方からすればここはかなり偏ったサイトです。

またここでは精神科にかんする記述も多くなります。
フリージャーナリストとして長年北海道浦河町で取材をしてきたので、そこから学んだことを反映できればとも思っています。
浦河の精神科というと、べてるの家というグループが有名です。ぼくもたくさんのことを学びました。その後2014年からは、精神科クリニックである浦河ひがし町診療所の取材に専念しています。
多くの訪問者が、ひがし町診療所はべてるの家の一部と見てしまいますが、法人としては別の組織で、実際の活動もかなり異なっています。”診療所ウォッチャー”のなかには、「診療所にはべてるがあるけれど、べてるには診療所がない」という人もいて、年とともに両者の歩みは異なっています。けれどそれは精神障害者にとって、選択肢が増えたというポジティブな意味にもなるでしょう。
ぼく自身は、診療所は精神障害者にとってもっとも包摂的で可能性のある暮らしをもたらしてきたと思います。それは誰にとってもそういう場になっているということであり、そこから学べること、敷衍できることは少なくありません。
社会の多くの現象は、診療所的な思考で見ればよりよく見えてくるし、解決とはいわなくても別な出口にたどりつけることがある。そのように思いながら、ぼくはぼく自身の思考を進めてゆきたいと思っています。
(2023年1月5日)
