バラ色の予測

 失望するまでは楽しもう。
 ぼくはいま、そう思うことにしています。

 来週のアメリカ中間選挙で、民主党は上下両院で勝利する。共和党は負け、醜悪なトランプ政治に歯止めがかかる。
 そういうバラ色の近未来を思い描くと、少し楽しくなります。そうならなかったら、それはそのとき。ガッカリするまでは浮かれていましょう(The Midterms Are Next Week. Here’s Who We Think Will Win. By New York Times Opinion Contributors Oct. 26, 2026)。

 中間選挙は11月3日です。
 ここにきて大方の予測は「トランプの負け」になりました。9月には「もしかしたら」だったのが、この1か月で「ほぼ確実に」負けに変わっている。
 今回の選挙は上下両院の議員選挙で、大統領選挙ではない。けれどトランプ大統領自身、自分に投票するつもりで共和党候補に投票してくれと有権者に呼びかけている。実質的なトランプ信任投票です。負ければダメージは大きい。

 ニューヨーク・タイムズが伝える“選挙のプロ”6人の予想は、5人が「上下両院選挙とも民主党の勝ち」です。残るひとりも五分五分、共和党が勝つという予想はひとつもない。民主党勝利を予想した5人のうち3人は、かなりの差がつくとみている(29日に出た別の記事はもうちょっと慎重だったけれど)。
 共和党の牙城だったテキサス州ですら、上院議員選挙で民主党が勝つかもしれない。こんな変化は、1年前にはだれも予想できませんでした。

 原因はなんといっても経済です。イラン戦争でガソリンや物価が高騰したのに、大勝利とうそぶくトランプ大統領に有権者はあいそをつかしている。見さかいのない衝動のくり返しで政権の混乱は増すばかり。就任時に51%あった大統領支持率は、37%と過去最低です。
 経済より深刻なのは、希望がもてないことでしょう。
「アメリカン・ドリームはなくなったのか」という質問に、イエスと答える人は1986年に11%だったのが、いまは43%にまで増えている。

 民主党が選挙で勝ち、トランプ王を止める。
 そうなるといいなと思うけれど、ならないかもしれない。現実の選挙では、これまで何度も予想が裏切られました。むだな期待はしないほうがいいのが常識というものでしょう。
 だけどぼくは期待する。結果が出るまで、つかのまでも夢を見ていたい。こんな世の中だからこそ、「ガッカリするまでは楽しむ」ことにしています。
(2026年10月30日)