ロシアを助ける日本

 ウクライナを侵略しているロシア軍を、日本が助けている。
 ニューヨーク・タイムズにこんな一文がありました。軍事兵器の電子部品が、日本から第3国を経由してロシアに大量に流れ込んでいる。それでドローンやミサイルが作られ、ロシア軍が日々ウクライナで殺戮をくり返しているという、無視できない指摘です(The Ukrainian Bureaucrat Working to Squeeze Russia’s War Machine. By Constant Méheut. Feb. 23, 2026. The New York Timse)。

 指摘したのは、ウクライナ政府のウラディスラフ・ウラシュークさん(36歳)、ロシアへの経済制裁を強めるよう西側諸国に働きかけてきた「制裁担当官」です。
 1月半ば、担当官はキーウの会議で西側30か国の外交官に語りかけました。
「みなさんに、率直にきびしいことをいいます」
 どの国がロシアの原油に対する制裁をどれだけ実行していないか、西側の電子部品がどれほどロシアに流れこんでいるか、スライドでつぎつぎに見せました。
「みなさんにさらに努力してほしい。ロシアにもっと圧力をかけてほしい」

 ウラシューク担当官はこの会議で、日本に対して「怒った」そうです。
 日本の大量の電子部品がロシアに渡っている。100万個以上の電子部品が去年、第3国経由でロシアに渡った。日本はそれを防ごうとしなかった。担当官は思わず叫んだそうです。
「なんてことだ、どうにかしろよ!」と。

 西側諸国はロシアへの制裁を、ウクライナが期待するほど強力に、また迅速には実行してこなかった。
 そこをなだめすかし、ウラシューク担当官はこの4年間、説得をつづけてきました。ロシアのもっとも重要な資源である石油については、ようやく制裁が効果をあげはじめ、輸出量は去年11月、最低レベルにまで落ちている。
 ところがミサイルやドローンに使われる電子部品は、そうではない。

撃墜されたロシアのドローン
(Credit: National Police of Ukraine, Openverse)

 ウラシューク担当官は、撃墜されたロシアのミサイルやドローンの残骸を会議場に持ちこんだそうです。これで日々、私たちウクライナ国民はロシア軍に殺害されている。
 そこに、日本の電子部品があるではないか。
 もちろん電子部品は民生用だろうから、規制はむずかしい。でも100万単位の部品がロシアに渡っているとするなら、流通の「システム」が存在するのではないか。
 ウクライナの担当官が日本に怒りをぶつけたのは、日本はなにかすべきではないかという問いかけでもあったはずです。
 少なくとも日本は、「第3国経由」の実態を解明すべきでしょう。
(2026年2月25日)