ウクライナで北朝鮮軍に戦死者が出たと報道されています。
戦況の大勢に影響する話ではないけれど、ウクライナのロシア軍占領地域は闇、何が起きても不思議はないという話でしょう(North Korean forces are backing Russia inside Ukraine, officials say. October 11, 2024. The Washington Post)。
情報は、テレグラムというソーシャルネットワークの「クレムリン・スナッフボックス」という匿名サイトから出てきました。ロシア国防省筋の情報として、ウクライナ、ドネツク地方のロシア軍地域にミサイル攻撃があって20名が死亡、そのなかに北朝鮮の将校6人が含まれていたといいます。
おそらく北朝鮮軍は、ロシアに送ったミサイルなどの指導監督にあたる部隊だったのでしょう。
韓国のキム・ヨンヒョン国防相は8日、国会でこの情報に言及し、「ロシアと北朝鮮は事実上の軍事協定を締結しているので、さらなる人員を派遣する可能性はきわめて高い」とのべました。ウクライナに送られる北朝鮮兵の数は、さらに増えるだろうという意味です。
ロシアと北朝鮮は軍事協力を強めている。北朝鮮はロシアに弾薬やミサイルが送るだけでなく、ことし4月、ウクライナのロシア占領地域に北朝鮮労働者150人を派遣したといわれます。一方ウクライナ情報筋は、「数千人規模」の北朝鮮兵がロシア国内で訓練を受けているともいう。これら北朝鮮軍は、訓練後は国境地帯に配備されるなど、ロシア軍を側面から支援する役割を担うと見られています。
いずれも検証された情報ではないから正確なところはわからない。
経済的ピンチの北朝鮮が、外貨獲得のために労働者や兵員を海外に派遣することはこれまでにもありました。ロシア、北朝鮮、イランなど、西側に対抗する「抵抗の枢軸」はさまざまな形で結びつきを強化しています。
むかし、アフリカ南部、ジンバブエの内戦を取材したときに聞いたことがありました。反乱軍の武器を押収したら、梱包に見たことのない紙が使われていた。北朝鮮の新聞だったというのです。アフリカの果てにまで、北朝鮮の武器は流れていたと知りました。
外交や平和じゃないんですね。
独裁者が支配する全体主義の国は、武力、武器という形でしか会話ができない。
独裁体制が80年つづき、国全体が思考停止に陥っている北朝鮮と交渉するのは、不可能ではないにしても困難をきわめるでしょう。
その北朝鮮からも、生命をかけて亡命するものがわずかだけれど出てきます。希望がないわけではありません。
(2024年10月16日)