一筋の光

 新年になり、ニューヨークにまともな新市長、ゾラン・マムダニさんが登場したと思ったら、こんどはとなりのニュージャージー州にもまともな下院議員候補が現れました(Mejia Declares Victory in New Jersey Race After Her Main Rival Concedes. Feb. 10, 2026. The New York Times)。

アナリリャ・メヒア下院議員候補
(公式選挙サイトから)

 アナリリャ・メヒアさん。民主党リベラルの希望の星です。
 メヒアさんは、社会民主主義者、バーニー・サンダース上院議員の選挙スタッフでした。ニュージャージー州で貧困や移民対策の社会活動を進めていたのが、4月に連邦議会下院の補選が行われるので立候補しました。
 といっても、正式な選挙ではなく、まず民主党の代表を決める「予備選挙」に名乗り出たのです。11人が立候補した予備選挙では、泡沫とみられていたメヒアさんがみごと本命候補を破って当選しました。

“過激派”が、どうして国政選挙で当選したのか?
 移民の暴力的な排除と、これに反対する市民を連邦捜査官が殺害したことなどで、市民感情が反トランプに揺れているという指摘があります。また予備選挙で本命とみられていたトム・マリノウスキー候補に、親イスラエル団体が強力なネガティブ・キャンペーンを展開したからともいわれる。
 けれどぼくは、これは全体主義に抗する新しい風のあらわれと思いたい。

 勝利を宣言した10日、メヒアさんはいっています。
「私たちは上からの押しつけをはね返し、金の力に負けなかった。だからいまの勝利がある」
 自分たちは古い、年寄りの政治にとらわれない、政治資金はなくても大企業、富裕層に対抗する存在になるといっている。

選挙運動のメヒア候補(公式サイトから)

 メヒアさんについて、特記したいことがあります。
 ひとつは、年齢がわからないこと。47歳か48歳らしいけれど、公式サイトにはどこにも出ていない。公表しない、あるいは聞かないのは、選挙陣営がリベラルだからでしょう。
 またメヒアさんは、予備選に立候補した民主党員11人のなかでただひとり、「イスラエルはガザでジェノサイド(民族虐殺)を行った」と明言しました。ほかの候補者がイスラエルへの援助は考えなければならない、などとことばを濁していたのと対照的です。

 メヒアさんは4月に行われる選挙で共和党候補と戦います。けれど民主党の強固な選挙区なので下院議員への当選は確実とされる。選挙は補選だから任期は8か月しかないけれど、微力でも反トランプの風に加わってほしいと期待します。
(2026年2月13日)