マリファナ再考

 マリファナの規制を強化すべきだと、ニューヨーク・タイムズが社説で訴えています。
 酒やタバコとおなじように規制すべきだといっている。そういう規制がないまま広がっていたのかと、ちょっと意外でした(It’s Time for America to Admit That It Has a Marijuana Problem. Feb. 9, 2026. The New York Times)。

 13年前、マリファナはアメリカのすべての州で違法でした。しかしいま、ほとんどの州で合法です。タイムズ紙も2014年、マリファナを合法化すべきだと6回にわたるシリーズの社説で主張しました。いまも当時の主張の大筋は変わらない。けれど変えるべき部分が出てきたといいます。
 マリファナの乱用と依存が、予想を超えたので。

マリファナ(乾燥大麻の葉)

 マリファナ生産は2024年に300億ドル、4兆円超の巨大産業になりました。
 彼らは作るだけでなく、消費をあおってもきた。マリファナはがんや認知症に効くと誤った情報を流したり、スナック食品にまぜこんで売ったりもしています。「マリファナ・ロビー」が連邦や州の政治家に働きかけるようにもなりました。トランプ政権はマリファナの薬物としての分類を変更し、税制上の区分を変えたけれど、おかげで生産者は巨利をえている。

 消費者の多くは、マリファナも「過ぎれば害がある」とは思わない。
 マリファナを毎日、ないし週に5日使う人が1800万人もいる。常習者の10人に1人が依存症になるといわれ、そのパターンは飲酒と似ています。
 消費者の20%がいわゆるヘビーユーザーとなり、彼らがマリファナ全生産量の半分以上を消費する。マリファナ悪阻症候群(cannabinoid hyperemesis syndrome)など、さまざまな精神疾患や行動障害、交通事故などを起こすようにもなった。

紙巻きのマリファナ(ジョイント)

 だからといって、「禁止と処罰」にもどってはならない。
 酒やタバコとおなじように扱うべきだとタイムズ紙はいいます。酒もタバコも合法だけれど、高い税金や販売上の制限がある。おなじように、マリファナにも連邦制を課し、強いマリファナ(主成分THCの純度が高いもの)には高い税金をかけるなどの対策を取るべきだ。
 マリファナの自由を放棄しない。けれどその自由には規制がともなわなければならないといいます。

 こういう議論や動きを見ていると、日本の役所が「危ない、有害、絶対だめ」といっているのがしらじらしい。国や社会の成り立ちのちがいといってしまえばそれまでだけれど、そこで立ちどまりたくはない。「“人それぞれ”であきらめないこと」という、哲学者の永井玲衣さんの言葉を思いうかべます。
(2026年2月20日)