温暖化のせいで、夏の暑さは年々耐えがたくなっている。
これじゃ寿命も縮まると思ったら、ほんとにそうなのだという研究がありました。異常な暑さにさらされていると「生物学的な老化が進む」そうです。要するに寿命が縮むんですね(In a Hotter World, Some People Age Faster, Researchers Find. Aug. 25, 2025. The New York Times)。
香港大学のシュー・グオ助教らが25日、ネイチャー・クライメト・チェンジ誌に発表しました。
グオ助教らは異常な暑さが人体にどのような影響を及ぼすかを、台湾の住民約2万5千人について2008年から2022年まで、15年間調査しています。それによると、「熱波を2年間経験した人は、生物学的老化が12日間速まる」そうです。

12日間、たいしたことない?
さにあらず。これは寿命が12日間縮まるという意味ではない。生物学的老化が進むということは、実際の寿命はもっと短くなる可能性もあるということです。グオ助教はいいます。
「この研究は2年間の暑さについて調べたものだが、熱波は何十年もつづく。影響はさらに大きなものになるだろう」
熱波とは、熱中症警戒アラートが出るような高温が2日以上つづく状態をさします。こうした異常な暑さで老化が進むことが、多くのバイオマーカー、生物学的指数で示される。それを計算すると「2日の暑さで、12日間の老化」です。
同様の、より小規模な研究はアメリカにもありました。32度以上の暑い日を140日以上過ごすと、老化が14か月分進む。ただしこの研究は暑さ以外の、喫煙や運動不足などの要因を考慮していないので、数値は誇張されているかもしれない。

グオ助教らは、暑さによる老化現象は若者より高齢者で顕著で、またエアコンを日常的に使う人は老化の程度が少ないことも示唆しています。
暑い日は、年寄りは外に出ず、エアコンの効いた屋内で過ごすべきだということでしょう。けれど、だれもがエアコンを使えるわけではない。暑くても逃げられない、外で働かなければならない高齢者もたくさんいます。
地球温暖化、異常な暑さは、ぼくらが生きているあいだはなくならない。悪化する一方です。その温暖化が熱中症だけでなく、平均寿命の短縮という形でぼくらをおびやかす。
金持ちはエアコンで生きのび、貧乏人は暑さで倒れるか命を縮める。そんな世界を見たくはありません。
(2025年8月29日)