ペットを飼うならウサギにしよう。こんな提案があります。
地球環境にいいから。温暖化への対策になる。逆にいえば、犬や猫は温暖化の敵なんだそうです。見方によっては(Why you should consider bunnies as your next pet. Feb. 20, 2024. The Washington Post)。
ウサギは草食。犬猫は肉食。このちがいが、ペットにするならウサギを選ぼうという提案の根拠です。
犬猫が食べるペットフードは多くの動物タンパクを含んでいる。かつては人間が食べられない「肉類」が使われていたけれど、最近は高級化が進み、人間並みの牛豚鳥肉がどんどん使われるようになりました。食肉、ことに牛肉は、生産過程で大量の炭酸ガスやメタンガスを出す。そういう温暖化ガスがペットフードのおかげで増えている。アメリカでは1億2900万の家庭でペットを飼っていて、その4分の3が犬か猫です。彼らのペットフードが排出する温暖化ガスは、フィリピン一国が排出する温暖化ガスとおなじレベルになるそうです。
その点、ウサギは優等生。
肉はいらない。エサは干し草か野菜で、まったく温暖化ガスを排出しません。人間が食べない人参の根元やレタスの外側などを好んで食べる。おまけに糞はガーデニングのいい肥料になります。飼いウサギ協会(House Rabbit Society)のアンナ・レイノーソ会長はいいます。
「ヴィーガンの猫を飼っているようなもんです」
ぼくはウサギのことを、キツネやオオカミの餌食になるちょっと“おバカ”で単純な動物と思っていましたが、偏見だったようです。実際に飼っている人にいわせると、犬と猫のあいだくらいの感じらしい。好奇心旺盛で社会性があり、犬猫とおなじように自分の居場所、巣を好み、縄張り意識を持っている。名前を呼ぶと反応し、なれれば足元に来て鼻をこすりつけたりするようになります。
でもぬいぐるみにはならない。犬猫のように抱かれるのはいやがるから気をつけた方がいいけれど、床の上でなでられるのは好きだそうです。一匹(日本では一羽というのでしたね)ごとに個性があり、それは犬猫とおなじようなもの。つまり育ててともに暮せば、新しい家族の一員になるということです。
そういうことなら飼ってみようかと、一瞬思ったけれどやめました。
アメリカには、あちこちにウサギのシェルターがあるそうです。ウサギを飼う人もいれば捨てる人も多いということでしょう。途中で捨てるくらいなら最初から飼わない方がいい。ぼくはすでに車を手放したので、ペットを獣医のところに連れて行くのもかんたんではありません。
バードフィーダーを吊るし、野鳥を見ていることにします。
(2024年2月22日)