ドイツが大麻、マリファナを合法化しました。ヨーロッパ主要国では初のケースです。
いずれイギリスやフランスもつづくでしょうか。マリファナ合法化はいまや世界的な流れ、それは薬物のひとつを合法化するというだけでなく、そもそも人の身体は誰が管理するのか、国か個人かという巨大な問いの一部でもあります(Germany becomes biggest E.U. country to legalize marijuana possession. April 1, 2024. The Washington Post)。
マリファナ合法化は、ドイツ連邦議会の新しい立法で実現しました。
4月1日施行の新法は、個人が使うためなら25グラムまで、自宅に保管する分には50グラムまでのマリファナ所持を合法としました。それ以上の量を所持したり売買したりすると違法で罰金や懲役刑の対象になる。18歳から21歳までの若者については若干規制を厳しくし、18歳未満の未成年についてはこれまでどおり禁止です。
所持は合法になっても売買は禁止なので、マリファナを楽しみたい人は誰かにもらうか、自分で栽培しなければならない。このため7月から各地に非営利団体「大麻クラブ」ができることになりました。定員500人のクラブは、全員が「積極的に栽培に参加」しなければならない。自分で作って自分で楽しむ、そういう形なら認めましょうというしくみです。
ベルリンの中心、ブランデンブルク門の前には4月1日、多くのマリファナ・ファンが集まり、解禁を祝うイベントがありました。「もう犯罪ではない」というのぼりを立てた人びとが、0時の時報とともに一斉にマリファナを吸う「スモーク・イン」を行い、歌い踊って合法化を祝ったそうです。ドイツ大麻連名のゲオルグ・ヴルス会長は「これは正しい方向への大きな一歩だ。全世界がドイツに注目している。ドイツのまねをする国がたくさん出てくるだろう」と述べました。
ヨーロッパではすでにマルタやルクセンブルクが、個人の楽しみのためのマリファナを合法化しました。オランダもカフェで少量なら売っていい「寛容政策」を実施している。ドイツの合法化は欧州最初ではないけれど、主要国では先頭を切った形です。
合法化はマリファナを社会に迎え入れ、闇市場を根絶するだけでなく、未成年の使用や依存症を防ごうとするねらいもあります。
こういう流れから見ると、日本の薬物行政はますます異様です。マリファナ程度のものまで「絶対禁止」にし、厳罰で抑え込もうとするのはなぜか。社会防衛という名のもとで個人の生き方の自由が奪われる。国がぼくらの身体健康を守るというのは、そもそも余計なお世話であり、つまりは「お上」がぼくらの身体を支配し、そうすることで心まで支配しているということではないだろうか。
そんなもろもろのことを考えると、とてもうっとおしくなります。
(2024年4月4日)