SNS、ソーシャルメディアの有害性にアメリカで多くの訴訟が起きています。
なかでも最大規模の、歴史的ともいわれる集団訴訟が18日はじまりました。裁判の行方は、SNSのあり方に大きな影響を及ぼします(US states accuse Meta of covering up research on teen social media addiction in pivotal trial. 18 Aug 2026. The Guardian)。
カリフォルニア州オークランド市ではじまったこの裁判は、提訴したのがカリフォルニアやコロラド、ケンタッキーなど全米29州です。訴えられたのはインスタグラムやフェイスブックを運営する巨大テック企業メタでした。
各州を代表する検察団は、SNSのインスタグラムがティーンエイジャーを「引っかけ、依存症にする」などと書かれたメタの内部文書を公表しています。メタはSNSが有害と知りながら、それを隠して企業利益を追求してきたと主張する。

メタは心理作戦を駆使し、子どもたちのSNS利用時間が最大になるようなしくみを発達させてきた。こうした操作に格段に弱い子どもたちは、依存症になり、うつ状態や不安症、摂食障害ほかの精神症状を起こしていると検察は主張する。
メタは全面的に反論しています。
検察の主張には根拠がない。内部文書の一部を前後の文脈から切り離し、自分たちに都合いいよう歪曲しているだけだ。メタはこれまでずっとティーンエイジャーを支援する方法を研究してきた、などと主張している。
裁判は今後6週間から8週間つづき、途中でメタのマーク・ザッカーバーグCEOも証言するでしょう。
SNSに対してはこれまで、インスタグラムだけでなく、メタ以外の企業のユーチューブ、ティクトクやスナップなどを相手に数千件の訴訟が起こされています。
これら訴訟の多くが、1990年代の「タバコ訴訟」の経験をふまえている。タバコ産業は喫煙の健康被害を認めようとしなかったけれど、数千件の訴訟で膨大な賠償を支払い、販売戦略を変えざるをえなかった。

今回の訴訟は、メタが敗訴すれば賠償額は2千億ドル、30兆円にもなるとみられる。検察団のひとりはいいます。
「われわれは1990年代にタバコ企業と戦った。麻薬産業とも戦った。こんどはメタを相手にする」
SNSには有害な面もあるけれど、表現の自由というタバコにはない特性もあります。そこをどう見るか。
タバコとおなじように、アメリカの司法判断は年月を経て日本におよびます。
(2026年8月21日)
