この50年、民主主義はじりじり後退している。
全体主義の広がりは、アメリカだけでなく世界的な傾向でもあるという報告をスウェーデンの研究所がまとめました。
日本の民主主義ははむしろいい方だといわれて驚きます(Democracy indicators in US at lowest levels for 50 years, data shows. Tue 15 Sep 2026. The Guardian)。

「世界民主主義の現状」という報告をまとめたのは、スウェーデンのIIDEAという団体です(International Institute for Democracy and Electoral Assistance)。1975年から各国の民主主義を調査してきました。
報告は、アメリカの民主主義はこの50年で最低のレベルに落ちたと指摘しています。
「トランプ大統領は掌握した権力を行使し、個人的な意向のために敵とみなすものへの迫害をつづけている。その影響は国内だけでなく国際的な同盟関係の毀損にも及んでいる」

(同団体のウェブサイトから)
民主主義が後退しているのはアメリカだけでない。この50年、世界的に広がっている傾向です。
バングラデシュやネパール、スリランカなど一部の国で若者の抗議行動が広がり、政権がかわったけれど、その後の民主政権の安定には困難をかかえている。
調査対象の41%にあたる71か国で、民主主義とはいえない政治体制が維持されています。IIDEAのカサスザモール事務局長はいいます。
「選挙を否定する動向が感染症のように広がっている。震源となっているのはアメリカのホワイトハウスだ」

民主主義はすたれる一方なのか。
ため息が出るけれど、報告書には意外な記述もありました。日本は民主主義の優等生だというのです。
そんなばかな、と思うけれど、たとえば報告書が民主主義の指標のひとつとする「人権」で、日本は世界9位、スウェーデンより上位になっている。
「人権」は、司法へのアクセス、表現や報道の自由、福祉と政治・経済の公平性で判定されるけれど、それらを総合して日本は世界ベストテンに入っている。

うそだろ、の一方で、でもなあと思う。
多くの国が、もはや日本程度の自由や民主主義すらないのかもしれない。各国の現状は想像を超えて悪化している。日本がよくなったのではなく、いつのまにか世界が悪くなりすぎたということではないのか。
その日本も、グローバルな全体主義に押され変容しているというのに。
(2026年9月16日)
