子どもの近視が世界的に増えている。このままだと2050年には子どもの半数が近視になると、イギリス眼科学会誌がいっています。
7歳から10歳の子どもは外で遊ばせること。ゲームや本だけ見ていたら近視になります(One in three children short-sighted, study suggests. Sept. 25, 2024. BBC)。
この報告によれば、1990年から2023年にかけて世界の子どもの近視は3倍も増え、36%に達しました。
子どもの近視が多いのは東アジアで、トップは日本の85%、ついで韓国73%、中国とロシアは40%くらい。少ないのはパラグアイとウガンダで1%。イギリス、アイルランド、アメリカは15%くらいだそうです。
日本の85%はにわかに信じられない数字だけれど、これはイギリス眼科学から見ての近視で、かならずしも眼鏡をかけている子の割合ではない。とはいえウガンダの85倍になるということは、日本の子がいかに小さいころから勉強勉強で本を読まされ、ゲームやタブレットを見ているかということでしょう。
小さいころから教育がはじまるシンガポールや香港で、子どもの近視が多い。反対に学校教育がはじまるのは6歳から8歳のアフリカでは、子どもの近視がアジアの7分の1だとイギリスの報告はいっています。
この傾向はコロナ禍で一段と進みました。子どもが外に出ず、リモート学習でスクリーンを見つづけたことなどが影響したのでしょう。
どうして近視になるかは十分にわかっているわけではない。けれど近年、外に出て遠くを見るのが大事だということはわかってきました。イギリスの専門家は、とくに目が発達する7歳から9歳の子どもは、1日に少なくとも2時間は外で過ごすべきだといっている。
このレポートで目に止まったのは、近視は遺伝的な要素もあるけれど、親が近視でも子はかならずしも近視にならないということでした。7歳から10歳の時期に適切な診断を受け、「近視管理」をすれば進行は抑えられる。
親が近視なら子も近視になると思いこんではいけないのですね。適切なケアをすることで近視は避けられるかもしれないし、程度を軽くできるかもしれない。
ぼくは小学校のころは外で遊びまわっていたので、近視にならずにすみました。いまは老眼になって、眼鏡のわずらわしさが身にしみています。眼鏡はないにこしたことはない。7,8歳の子どもをもっともっと、外で遊ばせましょう。
日本の子どもの近視を、世界平均くらいにまで下げたいものです。
(2024年9月26日)