台湾近海が、さらに息づまっています。
強大な中国が圧力を強め、一見したところ台湾はなすすべがない。トランプ政権の錯乱は深まるばかりで、このままでは台湾は戦わずして崩壊するのではないか(Taiwan Tests How It Would Resist a Chinese Siege at Sea. July 25, 2026. The New York Times)。
台湾危機といえば、中国の軍事侵攻を想像するでしょう。中国軍の攻撃で台湾は短期間に壊滅する、アメリカの介入がなければ、と。
しかし専門家が描くイメージはちがいます。
直接的な武力行使より、中国はじわじわと台湾を締めあげるのではないか。多数の艦船で台湾を取り囲み、石油や天然ガスの輸入を止める。この海上封鎖で台湾経済は止まり、政権も崩壊するイメージです。

中国は、台湾周辺へますます多くの海軍艦艇を配備している。
台湾近海に常時展開している中国軍艦艇は7隻から8隻。ことし5月から6月にかけ、中国艦艇は85回も台湾に接近しました。これは去年おなじ時期の45回にくらべて2倍近くです。数の上でも、また行動の上でも中国軍は台湾への圧力を強めている。
これら艦艇が、台湾に向かう貨物船の「臨検」を行ったらどうなるか。
すでに貨物船に対し、中国軍が無線で乗組員の情報などを要求してきたことが3回もあります。また台湾に向かうフェリーに中国軍が乗りこんだこともありました。そうした臨検がエスカレートし、ある日「海上封鎖」になるかもしれない。

ニューヨーク・タイムズの記事で、とくに気になったのは以下の記述です。
「中国は先月、台湾東海域で「通常の法執行パトロールを行う」と宣言し関係者の懸念が強まっている。台湾東海域は、中国が台湾を攻撃してきたときアメリカや同盟国が援助の手を差しのべる際にもっとも使われる海域だからだ」
台湾有事では、沖縄の米軍が台湾に向かうだろうから、その海域をあらかじめ中国は制圧しておくということでしょう。あるいは、米本土からの軍も台湾東海域から台湾に向かうと想定している。
すべては腹のさぐりあいです。
アメリカが介入するかどうかをめぐる推測の積み重ね。
その上で、中国は一貫した戦略にもとづき確実に台湾への圧力を強めている。一方アメリカはふらつくばかり。イラン戦争を見ていると、トランプ政権はとても「台湾有事」に対応できるとは思えません。
台湾の人びともそう考えているのではないか。憂いを深めているのではないか。
(2026年7月27日)
