SNS訴訟の和解

 子どもとSNS、ソーシャルメディアの関係が変わります。

 SNSに対し、アメリカで大規模な訴訟が起きたことはこのブログでも伝えました(8月21日)。子どもに害を与えていると訴えられた巨大企業メタは26日、全米47の州に対し、171億ドル(2兆7千億円)の損害賠償金支払うと表明、訴訟は和解で決着しました(Meta to Pay Up to $17.1 Billion in Landmark Settlement Over Social Media Addiction Claims. Aug. 26, 2026. The New York Times)。

 賠償金より重要なのは、メタが自社のSNS「フェイスブック」や「インスタグラム」を、子どもが依存症にならないよう大幅な変更を加えると表明したことです。
 SNSを使える時間を1日2時間に制限する、就寝時間を確保できるよう夜中の0時から午前6時まで使用禁止とする、学校の授業時間中にあたる午前8時から午後3時までは警告を出すようにする、などです。年齢制限の確認を厳格にし、保護者が監督しやすくする措置もとられるはずです。

 使用方法だけでなく、アルゴリズムにも重要な変更が加えられる。
 かねて心理学者が指摘してきたように、SNSは「他人と自分を比較する場」となって子どもの自尊感情がそこなわれやすい。そうならないよう「フィルター」とよばれる情報のよりわけや「いいね」の付け方の制限といった措置が考えられています。
 SNSは禁止するだけでなく、使い方、リテラシーを育てるべきだという主張もあるけれど、使わせる側もこれまでより自制するということでしょう。SNS研究者のヴィンセント・ジョラレモンさんはいっています。
「子どもの使うSNSは、5年前とはかなりちがうものになるだろう」

 変革をもたらしたのは、全米29州の検察官が合同でメタを訴えたことでした。
 検察団は訴訟の裏でメタと協議を進め、結局、メタは当初の29州だけでなく、全米47の州にまとめて賠償金を支払うことにしました(テキサスなど一部の州は別に訴訟を起こしているので今回の和解にふくまれていない)。
 和解でメタの株価は1%あがったそうです。裁判に負ければ賠償金は30兆円もになるところを、10分の1以下で決着したのだから投資家は歓迎したのでしょう。
 和解を引き出した検察団も、大きな勝利だといっている。

 あとは、メタ以外のSNS巨大企業、ティクトクやユーチューブなどがどう出るか。決着をあとにのばすほど傷は深くなるから、メタに追随するしかないでしょう。
 これで子どもたちは、少し元気になれるかもしれない。
(2026年8月28日)