精神科的

浦河を遠く離れて

 あたしのグチ、聞いてくれますか? ランチの席で唐突にZさんが尋ねてきました。北海道浦河町の精神科でたくさんの仲間を作った人です。いまは東京で子育て支援の活動などをしているらしい。 いいよ、そのあとでぼくのグチも聞いても

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苦労はつづく

 おなじ苦労のくり返し。 まったくおなじではない。おなじ苦労をちがう人がになう。だから苦労がやむことはない。古い苦労はいつも新しい。 禅問答みたいですが、精神障害者の苦労のことです。  この10日ほど北海道浦河町に滞在し

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海の底を見る

 サトちゃん、とみんなに呼ばれていました。 4年前、自ら消えることを選んだ精神障害の当事者です。彼女が自分を消した場所を、今週ようやく訪れることができました。北海道浦河町から遠くない漁港です。 2020年の年末、サトちゃ

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科学はさておき

 SNSをめぐる論争がつづいています。 アメリカ保健行政のトップ、V・マーシー医務総監がSNSに強い警告を発し、SNSは若者の精神保健に有害というラベルを貼るべきだと提唱したことを書きました(6月20日)。これに賛否両論

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消えない記憶

 8年たっても、あの記憶は私を苦しめる。 精神科の患者が、強制的な身体拘束の経験をアメリカ精神医学会の総会で語りました。身体拘束を当事者が公開の場で語るのはきわめてめずらしいことです。そういう場面が設けられたことは、精神

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衝動と精神障害3

 衝動をめぐる谷川嘉浩さんの議論でぼくが強く引きつけられたのは、衝動とともに生きる人生は自分を変えるということでした。 空揚げだの洋服の仕立てだの野鳥観察だの、合理的に考えたら「何それ?」というようなことにのめりこんでし

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衝動と精神障害2

『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』が論じている衝動は、一時的なものではなく、奥深くにあってずっと持続しているものです。ぼくらはふだんそれに気づくことなく、とらえることも言語化することもできない。けれどいったんそれが

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衝動と精神障害

「衝動」は、「精神障害」とどうちがうのだろう? 1冊の本を読みながら、くり返しそんなことを考えました。 おなじだとはいえない。でもじつによく似ている。その重なりに、衝動を、あるいは精神障害を多少なりとも理解する糸口がある

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