ネコに鎖

 いまはもう首輪といわないんですね。ハーネス。鎖はリード。
 ネコにハーネスをつけ、リードにつないで散歩する。これが次の生活スタイルになるかもしれません。
 イヌならともかく、ネコに鎖つけてどうするの?
 アナログ世代はとまどうけれど、そういう世の中なんでしょうか(How to (responsibly) let your cat outside. April 9, 2024. The Washington Post)。

 アマゾンのサイトを見ると、ネコの首輪、いやハーネスやリードがいっぱい並んでいます。ということは日本でも流行なんでしょうか。まだぼくの家の近所では見たことがないけれど。

ネコのハーネスやリード
(アマゾンのウェブサイトから)

 実際にネコにリードをつけて散歩してみたと、ワシントン・ポストのコリーン・グラブリック記者が書いていました。

 グラブリック記者は、自分のペットであるマウスという名のネコ(ややこしいですね)を、もともと家のなかで飼うつもりだった。でもマウスはよく窓から外を見ている。自分もイヌの散歩をしている人がうらやましかった。公園では「ドッグラン」でイヌが遊んでいる。マウスもああいうのがいいんじゃないか。
 ということでマウスにハーネス、首輪の代わりになる装具をつけました。最初は転がって外そうとしたけれど、すぐなれた。そこで外出。まずはキャリアーと呼ばれる運搬用のバッグに入れて公園へ。そこではじめて、キャリアーから出してリードにつなぐ。

 はじめから長時間は出ない。だんだん、外出を伸ばすようにしました。でも公園で子どもが騒いでいたりイヌが走り回っていると、マウスは落ち着かない。自分でキャリアーにもどってしまう。だからグラブリック記者は外出先を選びました。静かな公園のベンチをみつけて、本を読む横にマウスが寝ているのはじつにしあわせな時間だといいます。ネコの散歩はイヌの散歩とはちがうのですね。

 ネコの散歩をどう見るべきか。
 グラブリック記者は冷静な視点も伝えています。生命倫理学者で、動物と人間の関係性を研究するジェシカ・ピアース博士は、自分はもうネコは飼わないといっている。
「ネコを飼っていたときは外に出してやったけれど、それでいいとは思わなかった。よくいろんな獲物を殺していたから。たくさん。ネコはやっぱり外に出たかったんでしょうね・・・おもちゃじゃない。動物としての行動特性があって、屋内においていたらそれは発揮できないんですよ」
 深いですね。
 ピアーズ博士は、哲学者でもあるそうです。
(2024年4月11日)