「プーチンはいかに日本をスパイの温床にしたか」
これが12日ニューヨーク・タイムズ記事の見出しです。
A4用紙で写真を入れれば14ページの長文記事は、東京がいまやロシア・スパイ暗躍の舞台だといいます。彼らが日本の電子機器をロシアに送っている。それでロシアはミサイルを作りウクライナ市民の殺戮をつづけている(How Putin Turned Japan Into a Den of Spies. July 12, 2026. The New York Times)。

ニューヨーク・タイムズのベテラン記者4名が「西側5か国の情報機関」数十人の幹部、元幹部に取材した記事です。
中心となっているのは、東京で活動するロシア軍情報部「第20部門(20th Directorate)」と、その責任者、マクシム・フィルチェンコフ氏49歳でした。
もちろん彼らはロシア軍情報部であることを隠している。ロシア国営企業アエロフロート社の従業員をよそおっています。そもそもロシア軍情報部に「第20部門」があることすら公表されていない。すべては「西側5か国の情報機関」情報です。
第20部門は日本の先端技術、電子部品などを大量に調達し、ロシアに送ってきました。これら技術や部品が手に入るので、ロシアはドローンやミサイルを作り、ウクライナへの爆撃をつづけている。
たとえば5月、ロシアの巡航ミサイルKh-101がキーウのビルを破壊し住民24人が死亡しましたが、ミサイルの誘導装置には日本の電子部品が使われていました。ロシアへの輸出が禁止されているものです。

そういう先端技術、電子部品は、直接ロシアに送ることはできない。秘密裏に入手して偽装し、密輸するのがロシア軍第20部門です。彼らの実態を把握した西側情報機関は外交ルートを通じて日本に警告してきたけれど、日本政府は有効な対策をとろうとはしてこなかった。
タイムズの取材では、第20部門がアエロフロートの関連企業を使って3月、「医療用品」をスリランカに送った記録があります。おそらく電子部品だったろうけれど、日本の当局はこの「密輸」を把握せず、摘発することもありませんでした。
ウクライナ政府によれば、ロシアが使うミサイルやドローンの90%には日本の電子部品が使われています。日本電気、パナソニック、東芝といった一流企業の製品もふくまれていました。もちろんこれら企業は関与を否定しているけれど。
おなじような製品を作っている外国企業もあるはずなのに、なぜ日本の企業だけ製品が使われ、名前が出てくるのでしょうか。
きょうも日本製品を使ったミサイルがウクライナを破壊しています。
(2026年7月15日)
