運転手がいない、いわゆるロボタクシーが社会を劇的に変えています。視覚障害者には特別な意味があるかもしれません。
ロボタクシーがあれば、目が見えなくてもどこにでも行ける。テクノロジーが、「障害」をなくしたかのように(Blind Waymo Users Revel in the Joy of Riding Alone. May 24, 2026. The New York Times)。
サンフランシスコのルーベン・ブラントさん(28歳)は生まれつき目が見えず、車を運転できません。これまで車というものにひとりで乗ったことがなかった。
2年前、ウェイモ社のロボタクシーが登場し人生が変わりました。いまはひとりで思いどおりにサンフランシスコを移動します。
「自立し、やりたいことがやれるようになったって感じ。車のなかに自分だけだと、好きなように音楽を演奏してるみたい」
ウェイモを降り、スマホの指示を聞きながら歩けば目的地にたどりつける。

(Credit: Phillip Pessar, Openverse)
視覚障害者のサラ・フューンズさんは「車のなかで、他人と会話しなくてもいい。ひとりでいられる」といいます。
それがなんとすばらしいことか、目の見える人にはわからない。
ウェイモは差別もしない。視覚障害者の補助犬は法律上で認められていてもいやだという人がいる。ウェイモはそんなことはない。
ウェイモ社はアメリカ盲者協議会などに相談し利用者のニーズを把握してきました。障害者団体を支援し、企業イメージのアップをはかっている。
ロボタクシーの料金は一般のタクシーにくらべるとまだ高い。
それでも利用者がふえているのは、有人より無人を選ぶ人がいるからです。視覚障害者もそうだけれど、ことに女性は男性運転手のタクシーより無人のロボタクシーに安心感を覚える。

(Credit: 9yz, Openverse)
目が見えないブラントさんは、ウェイモを呼んでも車がどこに止まっているか正確な場所がわからない。スマホを使い、ウェイモが特定のメロディーを鳴らすようにすれば問題なく見つけることができる。
乗車するとすぐ、ブラントさんのスマホは車内の音響設備につながります。お気に入りの曲を聞きながら、エアコンを好みの温度に設定し、サンフランシスコの市街を移動する。
そのすべてを自分ひとりでできるということ。
「独立してる、こんな感覚があるなんてこれまでの人生で知らなかった」
ロボタクシーがもたらした自由。AIの恩恵です。ブラントさんは、いずれはタクシーでなく自分の自動運転車が欲しいと思っています。
(2026年5月27日)
