呼びかける映像

 楽しく、さまよう。 ひとことでいえば、そんなことだろうか。 いや、「ひとことで」を拒んだところにあるんじゃないか、この映画は。かんたんな要約だの「真のメッせーじ」を超えている。そうじゃない、生きるって、もっとずっと複雑 […]

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まぼろしの恐怖

 これだけしっかりした考証の本でも、こんなことが起きるのか。『本売る日々』(青山文平、文春e-books)、時代小説です。感銘を覚えたけれど、ぼくには疑問が残りました。 時代小説といっても、武将の合戦や捕物帳ではない。江

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出口が見えない

 次の総理大臣は、スガか、アソウか? もしキシダさんが倒れ、次期総理を選ぼうっていうときにこんな選択しかなかったら、誰だっていうでしょう、ふざけるな、いーかげんにしろって。 それが、いまのアメリカのムードであるらしい。 

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目ざす病気の姿

 認知症の治療に、ひとつの可能性が開けました。 レカネマブとドナネマブ。2種類の、まぎらわしく、しかも舌を噛みそうな新薬があいついで登場したためです。 いずれも、認知症を「治す」ことはできないけれど「進行を遅らせる」こと

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消える境界

 きのうは写真展について書きましたが、きょうは写真集について。『ぼくは日高本線が大好きだった』という本があります。友人の息子で、大学生の伊藤未知さんが写真を撮り、文を書きました。テーマはJR日高本線。いわゆる鉄道マニア本

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質より量

 医療的ケア児の写真展に行ってきました。 呼吸器を付けたバギーや電動車椅子、ストレッチャーに乗った子どもたちと家族、ケアする人びとの笑顔を捉えた写真がたくさん並んでいました。こんなふうにみんな町のなかに出てくるようになっ

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他者との出会い

 夢のなかに引きこまれるような、名指しがたいなつかしさがありました。 ホンサンス監督の映画、『小説家の映画』です。 こころがふわっと浮かび、どこか遠くに漂っていく。じんわり迫ってくるこの思いは何なのか。ある時点でハッとし

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声のない世界

 まずタイトルと表紙に引かれます。 姜信子さんの『語りと祈り』(みすず書房、2023年)。語りと祈りを、結びつけるのか、結び直すのか、引き離すのか。どんな視点があるのだろう。 そして製本。 表紙がぼくに語りかける。おまえ

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